下書き:パイプカットについて

 パイプカットとは俗称であり、正しい医学名称は精管結紮術(vasectomy)といいます。ここでは男性避妊としての精管結紮術について説明をいたします。

 精管とは、精巣(たま)でつくられた精子を輸送するための細いクダのことです。手術で精管を切断すれば、精子の輸送路が遮断され、精子が運ばれなくなります。精子がいなければ妊娠が成立しません。もう子供をつくらないと決めた、医師の判断で避妊が必要とされた、などの場合は、避妊の確実性がもっとも高い本手術をおすすめします。女性の卵子輸送路を遮断する手術に比べ、麻酔や手術による体への負担、経済的負担が格段に低いメリットがあります。日本ではまだまだ普及していませんが、諸外国では一般的な手術です。

 手術は局所麻酔下に行います。陰のう皮膚に高周波メスで穴をあけて、その穴から精管を体外に出して結紮切断をしたのち、創を閉じます。
 術後2カ月目で2度の精液検査を行い、精子がいないのを確認します。

 

精管結紮術について知っておいていただきたいことを記載します。

  • 恒久的な避妊法を意図しています。
  • 手術してすぐに避妊可能とはなりません。術後8-16週かかります。
  • 精液検査で精子がいない状態になったことを確認する必要があり、確認できるまでは他の方法で避妊していただきます。
  • 術後の精液検査で精子がいないと判断された方でも、将来再度妊娠可能状態となる可能性があります。つまり、精管結紮術を行った場合でも生涯にわたり100%大丈夫、というわけではありません。精子の通り道の再開通が2000件に1件発生するといわれています。
  • 術後は1週間、射精を控えてください。
  • 将来気が変わり子供がほしくなった場合は精管再建術や人工授精を行う必要があります。これらは高額でかつ確率も100%とは限りません。精子冷凍保存も可能ですがこれも高額です。
  • 外科的合併症の発生率は1~2%です。出血やそれによる血腫(血液のたまり)、感染症(キズや内部の細菌感染)などがあります。
  • 術後におこる合併症としては、慢性陰のう痛がおこりえますが1~2%程度です。

 詳細につきましては、受診された際にご説明申し上げます。