下書き:HIVとエイズ

–下書き–

 

HIVとは?

 HIVとは、Human Immunodeficiency Virus(ヒト免疫不全ウイルス)というウイルスの名前です。大きさは1ミリメートルの1万分の1です。HIVには1型(HIV-1)と2型(HIV-2)があります。現在HIV-1の感染が世界中に拡がっているのに対し、HIV-2は西アフリカを中心に限られた地域での感染にとどまっています。

HIV感染とエイズ

 体内でHIVウイルスが免疫細胞(Tリンパ球やマクロファージなど)に出会うと、その細胞と結合します。そして細胞内にウイルスの中身を注入し、特殊な酵素により、免疫細胞の染色体にウイルスDNAを組み込みます。免疫細胞は細胞分裂のプログラムが書き換えられ、ウイルスの製造工場となってしまいます。
 HIVは免疫細胞を破壊し、その結果として免疫力が低下します。いろいろな病原体に感染しやすくなり、健常者からすれば大したことのない病原体(ほかのウイルスやカビ類など)により様々な病気を発症します。この状態をエイズ(AIDS:Acquired Immuno-Deficiency Syndrome、後天性免疫不全症候群)と言います。代表的な23の疾患が決められており、これらを発症した時点でエイズと診断されます。HIV感染後に何も治療をしなければ、免疫力は徐々に低下し、一般的には5~10年でAIDSを発症(発病)すると言われています。

感染経路

 HIVは血液、精液、膣分泌液、母乳などに多く分泌されます。
 HIV感染は、性行為によるものが最も多いです。主として、女性は膣粘膜から、男性は性交によって生じる亀頭部分(粘膜)の細かい傷から、HIVが侵入することで感染します。また、男性同性間の性的接触では、腸管粘膜から侵入します。機械的な刺激の強い膣や口腔の粘膜は重層ですが、腸管粘膜は単層であることから傷つきやすいため、HIVが侵入しやすく、膣性交よりも感染リスクが高くなります。
 また輸血、注射器・注射針の共用による麻薬の回し打ち、医療現場による針刺し事故などから、感染者の血液が他のヒトの血管中に侵入することでも感染が成立します。麻薬や覚せい剤を注射器・注射針を共用して回し打ちをすることは、HIV感染のみならず、C型肝炎についても非常に感染率が高くなります。輸血による感染の危険性は極めて低いです。
 このほか母子感染として、出産時の産道感染、母乳哺育による感染、胎内感染があります。

HIVの感染の確率

 HIVの感染確率は、感染経路やコンドームの使用の有無等により変わりますが、コンドームを使わない挿入による性行為(膣性交、アナルセックス)を行った場合、感染の確率は0.1〜1%(100回に1回)くらいと考えられています。しかし、1回のコンドームなしのセックスでも感染した人もいます。感染の確率はあくまでも目安でしかありません。100回してないから大丈夫、なんてことは絶対に有りません。また、他の性感染症(梅毒、淋病、クラミジアなど)に感染していると、粘膜に炎症を起こしやすくなり(ほかの要因もある)、感染の確率がさらに数倍増加します。そもそも性感染症になる行為があるならば、HIV感染のリスクがあるのです。

HIV検査・即日検査

 HIVに感染してから2〜6週間(急性期)で、50〜90%の人に何らかの症状(発熱、リンパ節腫脹、咽頭炎、皮疹、筋肉痛、頭痛、下痢等)がみられると言われています。しかし、いずれもHIV感染に特有な症状ではないため、風邪をひいたぐらいかと思ってしまうことも多いと思われます。HIVに感染したかを調べるためにはHIV検査を受けるしかありません。
 当院では、20~30分で結果が判明します。
不安がすこしでもあるかた、ご自分のため、愛する人のため、少しでもHIV感染の心配があれば、検査を受けてください。

早期発見が大切

 HIV感染症の治療開始の遅れは、生活の質の低下や生命予後の悪化につながります。しかし、現状では、エイズの発症によって、HIVに感染していたことが分かる例がHIV感染者全体の3割を占めています。エイズを発症して未治療の場合の予後は2〜3年です。エイズを発症してからの治療もある程度は奏功しますが、その効果は、発症前と比較して明らかに劣ります。
 もしHIVに感染しても、エイズ発症前の無症候期の間にHIV感染を知ることができれば、定期的な医療機関での受診およびフォローアップ検査により、最適な時期に治療を始めることができます。

HIVの治療

 現在、HIVを体内から完全に排除できる治療法はありませんが、抗HIV薬によってウイルスの増殖を抑え、エイズの発症を防ぐことで、長期間にわたり健常時と変わらない日常生活を送ることができ、HIVを持っていない人と変わらないくらいの寿命が期待できます。HIV感染が判明したら、できるだけ早い段階で抗HIV療法を開始することが勧められています。

HIV感染への予防策

 コンドームにまさる対策はありません。
 包茎手術をすると、感染リスクを60%下げるという報告があります。

当院での流れ

 通常診療時間内におこしください。HIV検査は療の適応はないため、自費診療となります。一般患者さん(泌尿器科・内科の患者さん)と区別なく診させていただきます。
 予約は必要ありませんが、予約患者さんを優先的に診察しますので、多少お待ちいただくこともございます。
 血液をごく少量採取して、検査を行います。結果は20-30分ほどでお伝えします。即日検査で陽性と判定された場合は、確認検査のための追加検査が必要になります。
 「心配なときが、調べるとき」です。「性行為感染症のかげにHIVあり」ともいわれます。心当たりがある方、心配な方は、お早めの検査をお勧めします。